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親をみとり定年退職… - 渡部田鶴子の婚活ノート -

母子と縁組 正月待つ

2010年11月27日 長野市民新聞掲載

 M男さんは、思い切って45型の大型テレビを買い、座敷に据え付けてお正月を待っている。退職して2年目、今まで結婚話はあれこれあったがその都度、親の介護や転勤などがあってタイミング悪く、1人住まいのまま今日になってしまった。
 春の彼岸に父の七回忌と母の三回忌を済ませ、しばらく法事もしなくてよいと親戚の皆にあいさつ。やれやれ気になる事柄もなくなりホッと落ち着いてみたら、毎日が日曜日。急に寂しく心細くなってきて―と相談に見えた。
 両親とも90歳を超す長生きをしたので、M男さんも長生きできそう。この先30年もあるのだ。このままだとそのうち絶家もやむなしという状態では、遠方にいる姉や弟のよりどころもなくなって、寂しいだろう―という。そこで、ここ数年のうちに10組ほどうまく幸せになったケースをお薦めすることにする。
 成人した子供のいる母子家庭の縁組はどうだろう。A子さんは、まじめで優しい人柄。2人の幼児を抱え苦労した女性。花作りやガーデニングに趣味もあり、息子もしっかり仕事をして自立しているので、養子縁組という方法もあると提案した。そして春ごろからじっくり付き合い、めでたくまとまって正月に皆で集まることになった。
 開かずの座敷も大掃除し、畳も新しく。また、遠方から初対面の娘さんの赤ちゃんが来ても大丈夫なように清潔にし、大型テレビを床の間に据えて準備完了。台所や風呂場も改築がじき完成する。荒らし放題の畑だったが、猛暑の中大汗を流し、今日のために菜大根を育て、それも漬けごろになって張り合いも出るこのごろである。
 急に希望のある明るい老後になれて安心のM男さんだが、若いころはぜひ実子がほしいと悩んだこともある。同居の両親のことや、市街地から少し田舎に入り農業も継がなければならない長男であることなどがネックで期待した出会いの機会はなかった。独身が好都合とばかり仕事で県外まで転勤して歩いてるうちに定年の年齢になってしまったという。
 今回やっと家中に灯がともる家族らしい形が整い、安心するとともに楽しい生活を期待している。親たちの世代は自分の子供らの介護でみとられ幸せだが、その子たちの世代は1人ぼっち。将来を思うとき、何とも気の毒で仕方ない。何とか良策はないものだろうか。
 ところで実直なM男さん、慣れない手つきでおっかなびっくり赤ちゃんを抱いて満悦な姿が目に浮かぶ。本当に良かった。早くお正月が来るといいですね。