シニアの皆さんと、志賀高原へもみじ狩りに出掛けた。迎えの車に乗り込んで、にぎやかに出発。途中で席のチェンジをし、「初めまして･･･」と自己紹介。それを糸口になごやかムードになり一安心。
　今回は、男性の平均年齢57歳、女性は53歳。看護師、栄養士、介護士、歯科関係、スーパーのパートさんなどである。男性は中間管理職、公務員、設計士など。年齢、地域などできるだけ希望に沿って引き合わせるので、成婚率は高い。
　今回は、66歳のRさんに出会いがあってよかった。
8年前に奥さんを亡くし、１人ぼっちの都会生活を退職とともに整理。息子さんの仕事先のこの山村の地に思いっ来て移住してきたという。
　見知らぬ人々の中に来ては見たものの、戸惑いは多く、不便でストレスもあったが、雪になれるうちに徐々に田舎暮らしの良さ、自然の美しさを味わう心の余裕が出てきたという。
　農家の手伝いをしたり、スキー場で働いたりもしている。この地になじんできたら、願うことなら再婚相手をと今回のもみじ狩りに参加したのだ。偶然、都会生活が長かった５６歳のN子さん意気投合。今回のカップル１号が成立した。幸せになってほしい。
　帰路は、飯山の人気スポット、「高橋まゆみ人形館」に寄った。家族、祖父母と孫がテーマで、どの作品も温かく、やさしく語り掛けてくる。同行の女性K子さんは来月の初孫誕生を楽しみに待つ身。「孫ってかわいいものよ」と、私は安産を祈ってあげた。一方S子さんは孫を抱ける老後を願っていたのに、ついに子供もないまま「５５歳を過ぎての独り暮らし」と涙ぐむ。それぞれの人生を重ね合わせて見学したのだった。
　標高800メートルというホテルの周りの紅葉は期待はずれであったが、キノコ尽くしのフルコースとワインに酔ってのカラオケを楽しんだ。20人の参加者は開放感も手伝って話も弾んだのではないか。毎月の例会の限られた時間ではゆっくり身の上話もできないが、この日は別である。この先をしっかりフォローしてあげたい。
　何組のカップルが誕生するか幸せづくりのお手伝い役。さあ、明日からはあの方にはこの方を･･･と、集めた希望カードに沿って手早にしてあげよう―。充実の1日だった。日暮れの早い駅前で、それぞれの帰路に就いた。
　そういえば、1年ほど前のこのシリーズでも、妙高へのもみじ狩りの話を記したのだった。