「完ぺきな相手でないと駄目」というこだわりの女性たちに続いて、男性のがわにも「一生を共にする相手なのだから」といろいろ条件を付ける例がある。
　しかし、条件を先に立てれば立てるほど、いくら努力してもご縁は逃げてしまう点はどちらも似ている。
　男性には、独身を楽しむあまりか「結婚はまだ先でよい」「気の合う相手が見つからなければ、一生独身でも構わない」などと、親を嘆かせるような気分でいる人も少なくない。女性のように出産年齢を気にする必要もなく、結婚を急ぐことはないとのんびり先延ばしする。しかし、そのうちに「老けたおじさん」と声も掛らないようになっては、結局泣きを見ることになりかねない。
　男女とも、個人の事情や考えによりせっせと結婚に励むタイプと、成り行き任せとに分かれる。「必ず家族を持ちたい」と願うなら、現実離れしたロマンを追うばかりでなく、さまざまな面での自分磨きが大切になる。男性の場合、どんなに性格が良くても、外見で外見で対象から外されることもある。見た目で「話がつまらなそう」などと敬遠されてはおしまい。まず「話してみようかな」「お友達になりたいな」と好感を持たれる外見、そして清潔感が第一条件となる。
　会話術も大切。女性に選ばれるような人気のある男性は、楽しい会話のできるタイプである。相手の立場に立つ、思いやり、優しさ、そして誠実で、言葉のキャッチボールができる人。特に聞き上手がもてる。
　それに比べてなかなかご縁が向いてこないタイプは、地味めで奥手、今までも女性とお付き合いが少ない。こうした男性ほど相手に対する希望条件が多く、「外見と年齢」へのこだわりが強い。とても無理と思われる女性ばかりを望み、うまく進まない。
　正月のパーティーで女性を見染めてカップルとになったK男さん。お付き合いを進め、半年経って両親に喜んでもらえると思い紹介した。すると母はピシャリとひとこと「初婚で長男のあなたのお相手がバツイチとは･･･。子供もできるかどうか難しいでしょう」。性格的にもちょうどいいカップルだったが、親の頭からの一言でせっかくのチャンスを遠ざけることになった。
　「何とかしないと、早く決めないと」とあせる親も、古い結婚観を押し付けいれば事は進まない。おめでた婚や早婚が珍しくない一方で、壮年に達した男性の独身者たちの群れ。結婚氷河期といわれる昨今、親御さんもおおらかに間口を広げてあげる。それこそが親としてできるせめてものことではないだろうか。