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私のお見合いノートから - がんばれ中高年 -

第15回 老親の世話 再婚の壁に - 悲観・不安…問題は根深く -

1996年4月13日 信濃毎日新聞全県版掲載

 中高年の再婚は老親の世話が気になり難しい。とくに女性側は老人の世話がいらない気楽な方を希望するからだ。夫となる人の老親が健康体でその兄弟姉妹なりが近くで手助けしてくれる見通しがしっかりしてるなら別だが、女性は、いずれ看護は自分の肩にと思うと、恐れをなして「会ってみましょう」と言う人すら見当たらない。
 こんな例もある。四十歳近いAさん。転勤して歩いてやっと山間地の実家に帰って来た。気丈だった母は安心のあまりか急に弱ってしまった。やれ入院だ何だと責任がのしかかり、この分だと自分の結婚はいつのことやら…。兄たちは子供の学校のことなどを理由に逃げの一手だ。
 女性の場合も自分の老いた親のことが大きな問題だ。C子さんはちょうど両親だけで居た実家にワケあって幼児を連れて帰った。心の傷をいやし羽を休めるつもりだった。かぎっ子にせず助けてもらえ二十年余。再婚話もあったものの踏み切れずにいた。子供の結婚話が具体化してきたこのごろ自分の事も考えたいが、ああ私は飛べず鳴けず、この先は親たちに縛られると悲観している。
 次は奥さんに出て行かれ困っている例。昔ながらに同居し、嫁しゅうとめ関係を何とかクリアし、円満に三十年が過ぎた。その末いよいよ親が寝付いた。何人もいる小じゅうとたちは知らん顔。のびのび旅行など楽しんでいるくせに寄りつきもしない。実母の看病もままならず自分はあんまりにもみじめすぎる、我慢も限界だーと奥さんは怒って出ていってしまった。奥さんの側に立ってみれば畑とパートと老親の世話は何としても荷が重い。身内でも親を捨てるような時代、親の世話をしてくれる協力者をさがすのは至難のワザだ。
 また、Tさんはボケの進んだ親を入所させてくれる施設が新築との話を聞き、真っ先に駆けつけ申し込んだ。六十人のところの四百人という狭き門。奥さんを亡くし十年。親の世話は幸い妹らがよくみてはくれたがぼけも進んで家庭ではこれ以上大変だ。最近定年になり終日顔を見ていても息子の見分けもできずお手上げだった。入居がかない、ホッとしている。でも再婚相手は出るかどうか…。公共施設を充実してほしい。それにより救われる中高年はどんなたくさんいることか。
 一人娘のUさんは子供もない。数年前父を亡くしてから急に老けてしまった母は八十余歳。ヘルパーさんのおかげで働き続けて六、七年。余病が出て家庭看護は無理になり、やっと入院できた。最近気の合う方が現れた。彼には看護婦の娘さんまでいて、大いに心強い。今までのような心細い暗い思いでいなくてよい。相談相手の彼がしっかり支えてくれるから…。彼女は自分の行き先をどんなに不安に思っていたことだろう。
 平均寿命はのびるばかり。しかも、少子時代。自分の老後はだれがみてくれるのかと不安をかかえてる方は多い。種々の例に接してつくづく問題の根深さを考えさせられる毎日だ。