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私のお見合いノートから - がんばれ中高年 -

第14回 もっと現実見て 意識改革を -ふっきれ フィーリングあって-

1996年4月6日 信濃毎日新聞全県版掲載

 五十歳のNさんは気楽な立場、一人暮らしは長い。色々と注文が多く最近は対象者が激減だ。その一、実子が欲しいので三十五歳までの方に限定!がネック。迷っているうちに年齢差は広がるばかり。シブシブ訂正しても一まわりもの開きは見向きもされぬ。女性方は同年齢前後が第一条件だから。もっと現実を見るよう意識改革が必要だと助言しているところにショックな事が続き心境変化は急に来た。
 昨年暮れ、友人のKさんを連れて訪れてくれた。その彼はワケあって離別。すべてなくして、裸一貫、実直な技術職で設計企画…仕事は面白く打ち込めるが人なみな家庭をもう一度持ちたいとのことで、中、高校生のある方をご紹介した。彼女は二人の進学欲をかなえるために必死で働く。だがふっと、力強い頼りになる相談相手がほしい。子供たちもお父さんがあればと考えていた矢先。大体は思春期は難しい年ごろといい、一時棚上げして見通しのできた時点でというのがパターンだが、彼女はあえて踏み切った。家庭はチームワーク。スタッフがそろってるのが理想と考える。Kさんは彼女を支えるのに十分な人生経験と痛みの分かるやさしい人。苦労の限りを尽くした彼女はどんなにか安心を見いだしたことだろう。双方が歩みより楽しい輪にしよう。ごく自然に四人家族ができ上がったのを身近にみたNさんはショックだった。
 続いてNさんのおい、めいが次々結婚した。兄の末っ子はわが子同然と思いこんでいたのに若いのに養子に行くという。ひそかな思い込みでいたのに打ち砕かれた。「どうして子供いないの?ボクが叔父さんの子供になってやるよ!」の一言が忘れられずにいた。今思えば、ばかみたい。単純なこだわりが尾を引いていたのか…。あの時分かれてしまわねば今ごろ成長した子供らとにぎやかにやっておれたものを。仕事も順調、青年の意気十分に、自身満々ではあるものの、落ち着いてみればタダの中年。そうだ、思い悩むのは惜しい。条件をとっ払って良さそうな人とは会ってみよう。縁のものだ。この年齢で今から実子をというのから卒業しよう。
 そうふっ切れて会った方とフィーリングが合った。彼女の一人息子は近く結婚予定。その息子と酒をくみ交わし、「母を頼む」と言われ、男の約束をしたそうだ。こんなスムーズに行ってよいものかと信じられぬ思いでいる。格好つけて自信家で、こだわって、その実十年も寂しがっていたのだ。もう少し早ければ、あの世行き前におやじやお袋を喜ばせられたのに残念だと悔やむ。いつも前向きでいたNさんらしくないよ。何でもできた若いころよりこれからこそ、落ち着いて人生大事に思う時、大いに青春してほしいと願うのだ。