キューピットサービス 結婚相談・人生相談・お見合パーティープランニング

お問い合わせ TEL.026-217-1535/026-234-5000(夜間)

〒380-0823南千歳2-15-3トミノビル2F(203)

キューピットサービスって?

HOME > キューピットサービスって? > 私のお見合いノートから > 第4回


私のお見合いノートから - がんばれ中高年 -

第4回 熟年融和婚 -なごむ会話 打ちとける心の友半-

1996年1月27日 信濃毎日新聞全県版掲載

 数年前に奥さんを亡くされたNさんは七十前。まだ現役パートをしている働き者のS子さん六十過ぎ。残暑のころのお見合いだった。境遇の似たお二人にはお孫さんたちも健康に育っており、別に心配事はない。子供たちも近くにおり、元気なうちはこのままで、と仏を守って独居中。Nさんはカルチャー教室の常連で、日替わりのお出掛け好きも長年の看病で外出もままならなかった反動かもと、陽気に話す。
 退職後は世界中を見物して歩くのが夢だった。中国語は五年のキャリア。オリンピックのボランティア通訳をする前にぜひ、本場中国を歩いておきたいんだと熱っぽく語る。女房と行くつもりだったのに、思うようにいかぬもの、人生どこでどうなるものか…。
 だが一人も気楽でよいと思いつつも、歩くなら今だ、と次第に思うようになったこのごろ、旅友達によい明るい方はいないものかと相談された。一方S子さんは三十五年も仕事と家庭を両立させてきた頑張り女性。終日立ち仕事の後も歩け歩けとできるだけ歩く主義。「町中の裏道、小道、全部知ってるのよ」と明るく若々しい。娘さんからは、そろそろ辞めて私たちの方へ来ない?との声がかかる。でも待てよ、孫の子守は楽しいけど、おばあちゃんの猫かわいがりはためになりそうもない。もう少し大きくなるまではママの手が一番だ。「丈夫なうちに旅行する事にしたよ、いいお友達出来たから」と知らせたら、「お母さんやるじゃない!大賛成!」と激励されたんだとか。
 二十年前にご主人に先立たれ一人身だと変な噂(うわさ)でもたてられぬよう、子供もしっかり育てなければ、とずいぶん緊張した毎日だった。でも最近は皆伸び伸びと、それぞれの生き方でやってるようで、ずいぶん世の中変わったなあと思うにつけ、人それぞれの人生を認めることが大事だと思う。短い一生なのだから。
 孫が何人あろうとも、子供たちとの交流もスムーズで不満もなくも、やはり同年齢のレベルの会話は心なごむもの、打ちとける心の友がほしいものだ。久しぶり山の温泉へでもゆっくり行こうとおつき合いが始まった。
 お正月は成田山と東京見物、そして鎌倉大仏さんを見て江ノ電に乗って楽しかった。三日も一緒したら前からずっとこんなだったようで自然な気持ちで不思議に思ったそうだ。たくさんのスナップ写真を見せていただきながら、すてきなカップル誕生でうれしい思いだった。いただいたお土産をそっと開いたら鎌倉塗りの夫婦箸(はし)だった。